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製品使用上の注意事項

製品使用上の重要な注意事項をお知らせします。
 
【HWS16-001】

2018/04/06 更新

RHEL7 XFSファイルシステムご使用時の注意


1.概要

Red Hat Enterprise Linux 7 (以下 RHEL7 と略します) では、デフォルトのファイルシステムがext4からXFSへ変更されました。
XFSではファイルを64ビット長のinode番号で管理しているため、それに対応していないソフトウェアは正しく動作しない場合があります。
本ページでは、問題の原因、発生条件や対処方法、および日立ミドルの状況について説明しています。


2.現象

一部のソフトウェアでは、XFSでフォーマットされたディスク上のファイルを認識しないなどの問題が発生することがあります。


3.原因

32ビットのstat()やreaddir()など一部のシステムコールは、2の32乗未満のinode番号しか扱えません。
しかし、XFSではファイルのinode番号が2の32乗を超える場合があります。 対象ファイルのinode番号が2の32乗を超えていると、stat()やreaddir()はエラーになります。
これらのシステムコールを使用しているソフトウェアはその影響を受けます。


4.発生条件

以下の条件が重なる場合に、2の32乗を超えるinode番号がファイルに割り当てられることがあります。

  1. XFSファイルシステムを使用していて、そのパーティションまたは論理ボリュームサイズが1Tバイト以上である。
  2. XFSのバージョンが12.04 (RHEL7) 以降である。 *1

5.対処方法

以下のいずれかの方法で対処可能です。

  • 2の32乗以上のinode番号に対応したソフトウェアを使用する。 *2
  • ext3、ext4など、32ビット長でinode番号を管理するファイルシステムを使用する。(XFSを使用しない)
  • ファイルシステムのサイズが1Tバイト未満になるようにパーティションを分割する。
  • ファイルシステムをinode32オプションでマウントする。 *3

6.日立ミドルウェア製品の対応状況

RHEL7サポートの日立ミドルウェア製品において、2の32乗以上のinode番号に対応しているか、調査を行いました。結果を以下に示します。

  • 影響有りの製品を使用する場合は、必用に応じ対策版の適用をお願いします。
  • "後報"の情報につきましては、明確になりしだい更新します。
    また、RHEL7サポート済製品で、一覧に記載がない製品についても、明確になりしだい掲載します。
    なお、XFSをサポートしていない製品は、一覧に掲載しておりません。
  • 影響の内容や回避策について、製品のリリースノートをポイントしている箇所があります。
    リリースノートは次に示す「ソフトウェア添付資料検索」で検索し参照することができます。

■ JP1 Version 11 (JP1 V11)


■ JP1 Version 10 (JP1 V10)


■ その他の製品


7.注釈
*1
XFS 12.03以前では、明示的にinode64オプションでマウントしない限り、inode番号の上限は2の32乗に制限されます。
*2
一般に64ビットのソフトウェアは64ビットのstat()やreaddir()を使用するため、この問題は発生しません。
*3
inode32オプションは、新たに作成するファイルのinode番号の上限を2の32乗未満に制限するオプションです。
*4
「JP1TE11008」は以下を参照ください。
なお、次に示すリンクは、日立サポートサービスのご契約者様専用ページにジャンプします。
参照不可の場合は、本ページ最後尾に掲載の問い合わせ窓口にお問い合わせください。
*5
「JP1TE11009」は以下を参照ください。
なお、次に示すリンクは、日立サポートサービスのご契約者様専用ページにジャンプします。
参照不可の場合は、本ページ最後尾に掲載の問い合わせ窓口にお問い合わせください。
*6
「JP1TE11014」は以下を参照ください。
なお、次に示すリンクは、日立サポートサービスのご契約者様専用ページにジャンプします。
参照不可の場合は、本ページ最後尾に掲載の問い合わせ窓口にお問い合わせください。
*7
「JP1TE10165」は以下を参照ください。
なお、次に示すリンクは、日立サポートサービスのご契約者様専用ページにジャンプします。
参照不可の場合は、本ページ最後尾に掲載の問い合わせ窓口にお問い合わせください。
*8
「JP1TE10166」は以下を参照ください。
なお、次に示すリンクは、日立サポートサービスのご契約者様専用ページにジャンプします。
参照不可の場合は、本ページ最後尾に掲載の問い合わせ窓口にお問い合わせください。
*9
「JP1TE10168」は以下を参照ください。
なお、次に示すリンクは、日立サポートサービスのご契約者様専用ページにジャンプします。
参照不可の場合は、本ページ最後尾に掲載の問い合わせ窓口にお問い合わせください。
*10
次に示す製品の現象および回避策を示します。

・P-822C-E1BL JP1/Automatic Operation
  • inodeの値が2の32乗を超えた場合、次のいずれか、または複数の現象が発生することがあります。 なお、次に示す現象は現在判明している現象であり、環境によってはこれ以外の現象が発生する場合があります。
    • 本製品の起動に失敗します。
    • 本製品を停止しても、タスク処理エンジンのプロセスが残存します。
    • タスクを構成している部品の実行に失敗します。
    • クラスタセットアップにおいて、setupclusterコマンドの実行に失敗します。
    • 標準エラー出力、または統合トレースログにKAVS、KAVU、KAVTで始まるメッセージを出力して、タスク処理エンジンのコマンドが異常終了します。

  • 次に示すディスクのinodeの値が2の32乗を超えない環境で使用することで、現象を回避できます。
    • 本製品をインストールするディスク
    • コマンドに指定するファイルおよびディレクトリの配置先のディスク
    • クラスタシステムの共有ディスク
*11
COBOL2002製品では以下の機能を使用している場合に影響があります。

  ・整列併合機能 (VR:03-02-02で対策済)
  ・利用者定義関数 (VR:03-02-02で対策済)
  ・オブジェクト指向機能 (VR:03-02-02で対策済)
  ・ISAMによる索引ファイル入出力機能 (VR:03-05で対策済。当該VRでは注意事項あり。詳細はリリースノートを参照)
*12
当該製品に含まれる以下のコンポーネントで影響があります。

  ・P-9S62-2C91 HiRDB/Developer's Kit Version 9
  ・P-9W62-2E91 HiRDB/Developer's Kit Version 9(64)
  ・R-F19428-317 HiRDB SQL Executer

なお、各コンポーネントごとの情報は、上記一覧の該当行を参照ください。
*13
当該製品に含まれる以下のコンポーネントで影響があります。

  ・P-9S62-2B91 HiRDB/Run Time Version 9
  ・P-9W62-2D91 HiRDB/Run Time Version 9(64)
  ・R-F19428-317 HiRDB SQL Executer

なお、各コンポーネントごとの情報は、上記一覧の該当行を参照ください。
*14
対策前の当該製品が提供するUNIX互換コマンドの「find」において、-inumプライマリに指定できる値は2147483647までです。
このため、2147483647以上のinode番号を持つファイルを検索することができません。


8.問い合わせ先

お問い合わせは、各製品のサポート契約をご確認の上、日立ソリューションサポートセンタのサポート窓口にお問い合わせください。



更新履歴:
  • 2018/04/06 :
    • 次に示す形名の情報を追加しました。
        P-9S36-G331
  • 2018/02/21 :
    • 次に示す形名の情報を追加しました。
        P-8164-C311、P-8264-C311
  • 2017/09/29 :
    • 次に示す形名は対策済になりました。
        P-812C-8EBL、P-8242-82BL、P-8242-83BL
    • 次に示す形名の情報を更新しました。
        P-812C-AKBL
  • 2017/02/01 :
    • 次に示す形名は対策済になりました。
        P-8112-B1BL、P-8112-33BL、P-822C-E1BL
    • 次に示す形名はすべての機能で対策済になりました。
        P-9S36-2131、P-9W36-2231、P-9S36-1131、P-9W36-1231
    • 次に示す形名の情報を更新しました。
        P-8112-3KBL、P-8112-29A1
    • 次に示す形名の情報を追加しました。
        P-8113-1171、P-9W13-1271、P-8112-A191
  • 2016/11/11 :
    • 次に示す形名は対策済になりました。
        P-8142-7GBL、P-8164-2511、P-8164-2311、P-8164-2411、P-8164-2111
    • 次に示す形名の情報を更新しました。
        P-8242-82BL、P-8242-83BL
  • 2016/10/07 :
    • 次に示す形名は対策済になりました。
        P-8142-8ABL、P-8142-8JBL、P-8112-B1A1、P-9S42-2CA1
        P-9S62-4C91、P-9W62-4591、P-9W62-4691、R-F19428-317
    • 次に示す形名は一部機能を除き対策済になりました。
        P-9S36-2131、P-9W36-2231、P-9S36-1131、P-9W36-1231
    • 次に示す形名の情報を更新しました。
        P-8112-B1BL、P-8142-7GBL、P-8142-8AA1、P-8142-8JA1
        P-82D2-5EA1、P-82D2-59A1、P-82D2-5A91、P-82D2-5791、P-82D2-5991、P-9S64-2561、P-8164-2511
  • 2016/08/05 :
    • 次に示す形名は対策済になりました。
        P-9S62-2C91、P-9S62-2B91
    • 次に示す形名の情報を更新しました。
        P-9W62-2E91、P-9W62-2D91
  • 2016/07/15 :
    • 次に示す形名は対策済になりました。
        P-832C-E111
    • 次に示す形名の情報を更新しました。
        P-8242-82BL、P-8242-83BL、P-812C-AGB1、P-812C-6LA1、P-9S62-2C91、P-9S62-2B91
  • 2016/06/15 :
    • 次に示す形名は対策済になりました。
        P-8141-94BL
    • 次に示す形名の情報を更新しました。
        P-8142-8ABL、P-8142-8JBL、P-8142-8AA1、P-8141-94A1、P-2464-7394、P-9S62-2C91、P-9S62-2B91
    • 次に示す形名の情報を追加しました。
        P-812C-E2BL、P-8242-8RBL、P-9W44-1341、P-9W44-1441
  • 2016/05/16 :
    • 次に示す形名は対策済になりました。
        P-8141-95B1、P-9S5Z-2131、P-9S5Z-1131、P-9S21-1181、P-F9S21-11811
    • 次に示す形名の情報を更新しました。
        P-8112-B1BL、P-8112-B1A1、P-8142-8AA1
        P-9S5Z-1341、P-9S5Z-1321、P-9W43-7K91、P-9W43-7S91
        P-2464-7394、P-8164-2311、P-8164-2411、P-8164-2111
    • 次に示す形名の情報を追加しました。
        RT-1V25-L90M40、RT-1V25-L90M30、RT-1V25-L80M40、RT-1V25-L80M30
        P-82D2-59A1、P-82D2-5EA1、P-82D2-5CA1、P-82D2-5991、P-82D2-5A91、P-82D2-5791、P-82D2-5C91
        P-9S64-2561、P-8164-2511、P-8264-2511
  • 2016/04/15 :
    • 新規作成および公開しました。


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